真藤さんが考える、避けるべき食材と摂るべき食材
腸内環境を乱す酸化している油は使わない
── 今回は夏バテシーズンに摂りたい食材について、お話を聞かせていただきます。毎日の食事は体調管理と深く関係していると思うのですが、まずは普段の食事で真藤さんが意識されていることはありますか?
真藤:酸化している油を摂らないようにしています。油によっては善玉菌、日和見菌、悪玉菌の腸内環境のバランスが崩れたり、そこから免疫力の低下、それに消化やお通じの悪さ、お肌の吹き出物に繋がったりと、身体の内外に影響が表れるように思います。なのでオリーブオイル、もしくは溶剤を使用していない圧搾された油を使うようにしています。少し割高という声も耳にしますが、体調を崩して病院に通うことになったら元も子もないじゃないですか。例えば偏頭痛に悩んでいる人には、まず食生活を見直そうと必ず話しますね。
夏バテ対策として摂りたい食材とは?
── 疲れた体や髪の毛、お肌を整えるという観点から、積極的に採った方が良い食材についてはいかがでしょうか?
真藤:緑黄色野菜にタンパク質。豆腐や納豆、卵などですね。あとはひじきやわかめなどの海藻類。またタンパク質でできている髪の毛を作るのに深く関わっているといわれる亜鉛*も意識されると良いと思います。亜鉛を含む食材としてナッツ、青魚などがあります。
*参考 秋になる前だからこそ押さえておきたい! プロの研究者が抜け毛の原因と対策をレクチャー
── 亜鉛はナッツや青魚に多く含まれているんですね。ただ青魚は、あまり料理をしない人からするとなかなかハードルが高い気も…。
真藤:このあと紹介するレシピにちょうど鯖缶を使うんですけど、そういう缶詰を上手に利用するのもおすすめです。
── そうなんですね! 鯖缶であればスーパーやコンビニでも手に入りますし、手軽に作れそうで安心しました(笑)。
よく噛んで唾液を分泌することが大事
真藤:それと、食材に限らずしっかり咀嚼することが大事です。よく噛まないと、食べたものを分解して体に吸収しやすくする消化酵素が出にくくなります。噛むことによって消化が良くなり胃への負担を抑え、お通じも良くなります。
── それは大きなポイントですね。献立を考えるのはなかなか難しいですけど、よく噛むことなら今日からすぐにできるので。
真藤:咀嚼して唾液を分泌すること。唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれていて、それと一緒に食べたものを体内に取り込むというのが大事になります。
── 仕事や家事が忙しいからといって、よく噛まずに急いで食べるのはやっぱり良くないんですね。
食べるだけでなく自ら作る! 真藤さんの発酵食ライフ
かつては日常生活の一部だった発酵食
── このあと、発酵食を使った料理を作っていただきますが、真藤さんが研究されている発酵食についても聞かせてください。
真藤:積極的に摂った方がいいと思います。味噌、塩糀、お酢も醤油もお酒もみりんも発酵食です。ただ、これに関しても私は日常的に摂っていることもあり、体感として摂った時と摂らない時の比較を上手くお伝えできなくて。
── 真藤さんにとっては、それだけ生活に根付いているということですよね。毎日摂られているということだったので。
真藤:そうなんです。ただ、昔は今みたいに発酵食が特段注目されることはなく、あくまで日常生活の一部でした。味噌や漬物を作ることも当たり前のことだったのが、そうではなくなっています。そもそも昔と今とで生活様式が変わっているという部分では、それに馴染んでいかないといけないことは理解しているものの…。
── そうですね。私が小さい頃は祖母や母が梅干しを漬けたり、漬物を作ったりしていました。そういった文化が継承されていないという側面はありそうです。
日持ちするうえに旨みも増す発酵食の魅力
── こちらにたくさんの瓶が並んでいますが、ご自身で発酵させているんですね。
真藤:はい。味噌、塩糀、醤油、梅干し、漬物を定期的に作っています。納豆も自分で作っていると言うとよく驚かれるんですけど、簡単にできますよ。大豆が柔らかくなるまで茹でて、まだ熱いうちに納豆菌を入れてよく混ぜて24時間寝かしてから、今度は冷蔵庫に入れてまた24時間寝かすだけ。海外で暮らしていた時でも、市販の納豆を少し残して茹でた豆に混ぜて作っていましたね。
── いや、納豆まで作られているとは私も驚きました。
真藤:食材を無駄にしないといったところも発酵食の魅力なんですよね。例えば、料理を作っていて野菜が余りそうだったら塩揉みしておけば日持ちするじゃないですか。あとは旨みが増す、シンプルにおいしくなるというのも発酵の力。漬物を炒めてもおいしいし、鍋に入れてもおいしい。日持ちして旨みが増すといった観点でも、発酵ってすごいよなって思います。
発酵食を日常的に摂るには?
── それでは最後に、発酵食を日常的に摂りたいという読者の皆さんにアドバイスがあればお願いします。
真藤:まずは具沢山のお味噌汁から始めてみるといいと思います。余っている野菜があれば全部入れてもいいですし、タンパク質として豚肉などのお肉を入れて豚汁にしてもいい。朝昼夜、それに季節を問わずおすすめです。
── ありがとうございます。確かにお味噌汁であれば短時間で作れますし、毎日具材を変えると飽きないですね。
真藤さん直伝! 発酵食をおいしく味わう簡単レシピ
スライスした鶏胸肉に塩糀をまぶして発酵バターでソテーしたスカロッピーネと、亜鉛が豊富な鯖やひじき、ナッツなどを味噌ドレッシングで和えたサラダをご紹介。発酵食品の塩糀と味噌を手軽に摂れて彩りもきれい。「夏バテを引きずっているかも?」と感じたら、ぜひお試しあれ!
鶏胸肉のスカロッピーネ
〈材料〉
鶏胸肉 1枚
塩糀 大さじ1
発酵バター 15g
レモン 1/2個
白ワイン 大さじ2
薄力粉 適量
タイム 1本
オリーブオイル 大さじ1
〈作り方〉
①鶏胸肉は開いて切り込みを入れ叩く。塩糀をまぶす。
②①に薄力粉をまぶしてオリーブオイルとタイムを入れ、鶏肉を両面焼いて白ワインと水50mLを入れる。
③②にレモン汁とレモンの皮を入れ、発酵バターを入れて沸騰したらお皿に盛り付けて胡椒をかける。
鯖缶とひじきナッツの味噌サラダ
〈材料〉
鯖缶 1缶
紫キャベツ 3枚
人参 1/2本
ひじき(戻してさっと湯通し) 10g
紫玉ねぎ 1/4個
ブロッコリー(小房に分けて下茹でする) 1/2株
ミックスナッツ 20g
味噌 大さじ1.5
ヨーグルト 大さじ2
ごま油 大さじ1
米酢 大さじ1.5~2
黒胡椒 適量
〈作り方〉
①ボウルに鯖、人参と紫キャベツの千切り、紫玉ねぎの薄切り、ブロッコリー、ひじき、刻んだミックスナッツを入れる。
②別のボウルに味噌、ヨーグルト、ごま油、米酢を入れてよく混ぜ合わせて①に和える。お好みで黒胡椒をかける。
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
PHOTO_Daiki Sekimizu(TRYOUT)