自然な抜け毛と自然ではない抜け毛?
生えてから抜けるまでの3つのヘアサイクル
── 季節の変わり目に限らず、髪は自然に抜けるものと聞いたことがあります。一日に大体どれくらい抜けるものなんですか?
原田:老若男女を問わず、100本くらいがおおよその目安とされています。抜け毛の原因の話に入る前に、髪には成長期、退化期、休止期といった3つのサイクルがあって、まずはそこからお話しますね。
── 髪が生えてから抜けるまでの周期ということですね。詳しく教えてください。
原田:髪は毛根にある毛乳頭から栄養を受け取った細胞が分裂を繰り返すことで積み重なり、押し上げられ、角化という変化をしたもの。成長期とは角化をし続ける周期のことです。1本の髪が生えて健やかに育ってから抜けるまで、いわゆる髪の寿命としては4年から6年と言われていて、髪の毛の90%ほどがこの成長期に該当します。
活動休止宣言後に自然と抜ける!?
── ということは、残りの約10%が退化期と休止期ということですね。
原田:そういうことです。次に退化期は、毛乳頭が「もう活動をやめます、伸びるのやめます」と言って成長を終える周期です。期間は2週間から長くて1ヶ月半ほどで、割合としては1%ほど。
── 成長しませんなんて、宣言みたいな感じですね(笑)。
原田:まさに。この活動休止宣言した退化期の髪が、新しい髪にぐいぐいと押し出されて自然と抜ける状態になるのが最後の休止期です。なので髪が抜けるのは、この休止期のサイクルに入った髪の一部ということですね。
炎症に気をつけて頭皮を健やかに保つ
── 成長期、退化期、休止期の3つが同時に進んでいるというイメージですね。今の話が自然なヘアサイクルということで、季節の変わり目、特に夏から秋にかけては、また別の理由から抜けやすくなるんですかね?
原田:そうですね、"自然ではない抜け毛"とでも言いますか。外的要因と内的要因があるんですが、頭皮を労わるためのポイントとしては次の2点に集約されると考えています。まずは頭皮を健やかに保ち、炎症を起こさないこと(抑えること)。それから、血流を悪くしないこと。すなわち、栄養バランスのいい食事を摂ってちゃんと寝ることです。
── 頭皮の炎症は理解できますが、食事や睡眠も関係してくるんですね。
原田:そうなんです。ここからはよりわかりやすく、外的要因と内的要因に分けてお話しますね。
抜け毛の原因と注意すべきポイント
抜け毛の外的要因と内的要因
── まず外的要因としては、やっぱり夏の紫外線が関係してきますよね…。
原田:そう、いちばんは紫外線ですね。夏に受けた紫外線ダメージによって炎症が引き起こされ、それが原因で髪の成長が妨げられると言われています。さらに、エアコンも炎症を引き起こす可能性が。エアコンに当たって涼むこと自体に問題はないんですが、長時間当たると頭皮が乾燥し、炎症につながることもあります。
── エアコンもそうですが、秋冬に向けて空気が乾燥するのでそこにも注意が必要ということですね。
原田:はい。次に内的要因としては、小まめな水分補給や先ほどお話しした食事、睡眠が大事になってきます。水分補給は意外に感じられるかと思いますが、頭皮も身体の一部である以上、水分が不足すると乾燥につながりますし、血液がドロドロになって血行や栄養素が体内に行き渡りにくくなるという点から、原因の一つとされています。
バランスのいい食事、なかでも大事な食品とは?
── これから徐々に涼しくなるからといって、夏ほど水分を取らなくてもいいというわけではないんですね。あと睡眠はわかるとして、食事というのは?
原田:皮脂の分泌が増えて頭皮の炎症につながる脂質や糖質の多い食品を食べすぎず、バランスのいい食事、特にタンパク質やビタミン、あと亜鉛を意識してもらえると良いかと思います。
── タンパク質とビタミンは身近な印象がありますが、亜鉛ですか!?
原田:そもそも髪の毛はタンパク質でできているので、それを作るのに亜鉛が深く関わっているんですよ。亜鉛がないと、いくらタンパク質やアミノ酸を摂っても結局は髪を作れなくて。牡蠣、豚レバー、卵などが、亜鉛が豊富な食品として挙げられます。
自然に抜けた毛と、そうではない毛の見分け方
── 夏から秋にかけての抜け毛対策として、外的要因である紫外線ダメージやエアコンによる乾燥、それから内的要因の水分補給、食事、睡眠にも気をつけることが重要なんですね。ところで、先ほど教えてもらった3つのヘアサイクルによって自然に抜けた毛と、そうではない抜け方をした毛とを見比べた時に何か違いってあるんですか?
原田:自然に抜けた毛なのか、頭皮の炎症などが原因で抜けた毛なのかは、確かに気になりますよね。毛根がポイントで、自然に抜けた健康的な毛根はマッチ棒の先の頭みたいな形状をしていて、透明っぽいというか少し白く見えます。逆に何かしらの理由でヘアサイクルの途中で抜けた毛根というのは、マッチ棒の頭のような丸みがない真っ直ぐな状態で、色は真っ黒になっていることが多い。肉眼でもわかるので、自分の毛根をチェックしてみるのも手だと思います。
── なるほど。ちなみに、季節の変わり目の抜け毛はどれくらい続くものなんですか?
原田:よく言われるのは1、2ヶ月、長くて3ヶ月というところですね。3ヶ月も経てば季節も移り変わると思うので、そこまで気にしなくてもいいのかなと。季節の変わり目は抜けやすいということを知っておけば、必要以上に心配しなくて済むのかなと思います。
今日から実践したい抜け毛にまつわるセルフケア
シャンプーは夜の1回のみで、予洗いが大事!
──セルフケアについても教えてください。先ほど頭皮を健やかに保つこととありましたが、皮脂を常にきれいにしておくためにシャンプーは朝と夜の2回するのがベターなんですかね?
原田:朝晩2回のシャンプーはおすすめしません。皮脂は頭皮の保湿に必要なものなので、顔と同じで取りすぎてしまうと過剰に分泌しようとするので逆効果ですね。シャンプーは夜1回、洗う際は頭皮を傷つけないよう指の腹で洗ってください。どうしても朝に洗髪をしたい時はお湯だけで。
── 夜に1回ですね。ほかにシャンプーで気をつけるべきポイントはありますか?
原田:洗っている最中に髪同士が引っかかって傷めないようにするために、事前にブラッシングしてほつれをとくこと、シャンプーをつける前に予洗いをしっかりすることが大事です。シャワーでさっと濡らしてシャンプーをする人が多いと思いますが、髪はもちろん頭皮も洗うイメージで、最低でも1分は予洗いをしてほしいですね。
── 1分は結構長いですね…。
原田:シャワーのお湯で頭皮が温まってきたのを感じられるくらいが目安なんですけど、そうするとシャンプーの泡立ちが全然違うと思います。特に油分の多いスタイリング剤をつけている人は、その差がよりわかりやすいはずです。
ドライヤーの誤った使い方も抜け毛の原因に
── シャンプー以外のケアのポイントだと、この「BEAUTY CITY」のトピックスでも何度か取り上げているドライヤーですかね?
原田:そうですね。炎症や乾燥の観点から、本来ドライヤーは髪からかなり離しながらするべきなんですけど、近い距離でかけている人が結構多いんです。一箇所に熱が当たりすぎるのがいちばん良くなくて、今言った炎症や乾燥を引き起こす原因になります。
── ドライヤーを当てながらボーっとしているのか、たまに髪が熱くなりすぎて飛び上がりそうになることが…。
原田:今晩から気をつけてください。美容師さんがされているように、髪との距離を十分に取り、一箇所に当たりすぎないよう手を左右に動かしながらドライヤーするのがポイントです。
研究員のおすすめアイテム
── それでは、セルフケアという視点で何かおすすめの製品はありますか?
原田:これまでお話してきたことというのは、紫外線ダメージの乾燥にしろ、水分補給やバランスのいい食事にしろ、"頭皮や髪に悪いことはやめよう"という考えですね。その一方で、育毛剤を使って"髪を育てよう"という考え方もあります。そこでおすすめしたい製品が、「ヴィージェ メディケートエッセンス(販売名:スキャルプエッセンス NY a)〈医薬部外品〉」と「ジオ スキャルプビルダー(販売名:スキャルプエッセンス SB)〈医薬部外品〉」です。どちらも有効成分(センブリ抽出液、ニンジンエキス、甘草根エキス〈グリチルリチン酸2K〉)が浸透して、脱毛の予防や発毛を促進する製品です。特に「ジオ スキャルプビルダー」はスプレータイプで使いやすいので、研究員も数名使っています。
── 日々のライフスタイルに関連したケアだけでなく、それらを実践したうえで時には“髪を育てるケア”も必要ということですね。髪や頭皮のことで悩んでいる人、それに今回のテーマである季節の変わり目に抜け毛が気になっている人は試してみる価値がありそうです。今日はたくさんの情報を教えてもらい、ありがとうございました。今すぐにでも気をつけるべきこと、始められることも多く、これを機に習慣づけてみようと思います!
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
ILLUSTRATION_Toshiya Kawashima(TRYOUT)
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