シャンプーを使い分けて気分転換を図る
スキンケアを変えるように、気軽にシャンプーを使い分ける
── まずはシャンプーの香りについて、MAHOさんの考えを教えてください。
MAHO:私が香りに目覚めたのは、実は幼稚園の頃で……。香水が大好きだった祖母の影響で、幼少の頃から祖母や母が使っている香水を拝借していたんですけど、年頃になると自分の好みの香りを選びたくなりました。その時、真っ先に意識したのがシャンプーの香りでした。シャンプーは香水のように香りが残らないことと、バスルームというパーソナルな空間で、自分の好きな香りに浸れるという点に魅力を感じていたんですよね。中学生くらいの時には、朝と夜、それに平日と休日とで使い分けられるよう、10本くらいのシャンプーをバスルームに常備していました(笑)。
── MAHOさんならではの興味深いエピソードですね。
MAHO:香りを楽しむという観点で言うと、3、4種類のシャンプーを揃えておいて、例えば寝不足の日の朝に目が覚めるような香り、夜は心が落ち着いて癒される香り、週末はちょっとリッチな香りといった具合に、その日のお肌のコンディションによってスキンケアを変えるような感覚で、気軽に使い分けていただくイメージです。私自身、10代の頃から今もそうして楽しんでいます。
自分自身の感情や記憶に訴えかけて、より快適な気分をキープ
── その時々の気分に合わせて選ばれているんですね。
MAHO:そうですね。そもそも香りは気分に寄り添ってくれるものですし、シャンプーも髪の洗浄のためだけでなく、その香りが自分の感情や記憶に訴えかけて、より快適な気分をキープするためのアイテムであると思います。もちろん香水は香りを楽しむことを追求したアイテムになるわけですが。
── 確かにそうですよね。香水をシュッとすると、きっちり印象づくられるというか、周りに対しても香りがしっかり残りますよね。
MAHO:香水の場合は一度つけてしまうと香りが落ちにくいことがあるので、TPOやその日に会う人を考慮してチョイスしますが、シャンプーは洗い流してしまえばほとんど影響しないところが気軽に選べる良さですね。コンディショナーを重ねた場合は香りが残りやすくなることも考えられますが、半径50cmくらいの距離に近づかない限り、そこまで人に届くというわけでないと思います。自分のマインドに届けるという意味では、気分転換を図るにはぴったりだと実感しています。
こんな香りのタイプは、こんな気分の時におすすめ
シンプルでヘルシーなフレッシュハーバルは、すっきりしたい気分の時に
── 今回、6つのシャンプーを試していただきましたが、それぞれの香りのタイプとその特徴やイメージ、どんな気分の時におすすめなのかを教えてください。まず一つ目は「ピトレティカ VS ジャグアウト シャンプー」です。
MAHO:香りのタイプとしてはハーバルで、その名の通り香草の香りがメインです。それに柑橘系の香りも加えられているので、もう少し細かく分類するとフレッシュハーバルになります。イメージとしてはグリーンの香りがすごく際立っていて、シンプルでヘルシーな印象を受けました。また甘さが控えめなのでジェンダーレス。男性、それにお子さんでも抵抗なく使えると思うので、家族でシェアするのもいいかもしれませんね。
──MAHOさんは、どういう気分の時に使いたいですか?
MAHO:意識を覚醒させたいというと少々オーバーかもしれませんが、すっきりしたい日や朝に眠気を覚ましたい時。時期によっては締め切りに追われて寝不足の日が続いてしまうんですけど、そんな時に最適なシャンプーだと思いました。朝が弱い方も、この香りを嗅ぐとすっきりと目覚められそうで、ヘルシーな気分でリセットできると思います。
明るいフローラルフルーティは、楽しい気持ちや高揚感を感じたい時に
── 続いては「ヒタ シャンプー」になります。
MAHO:香りのタイプとしてはフルーティ、さらに掘り下げるとフローラルフルーティです。すごく香り高いシャンプーで、パッと明るい印象を受けました。「今日はなんかいいことがありそうだな」っていうワクワクする高揚感が生まれますよね。自分が明るくて楽しい気持ちになると、人にも優しくなれるような気分に導いてくれるのがフローラルフルーティの特徴です。
── 気持ちがくさくさしている時にいいかもしれないですね。
MAHO:そうですね。自分へのご褒美と言いますか、甘やかしてあげたい時にぴったりだと思います。なので私は、休日にゆっくりとバスタイムを楽しみたい時に使いたいですね。スパ気分で優雅にお風呂に入って、午後からお友達とおいしいものを食べに行こうかなとか、ショッピングに出かけようかなとか、気分が高揚して前向きにしてくれそうです。あとは旅行に携帯するのもおすすめ。海外のホテルのバスルームで、ゆったり過ごしたい、なんてシチュエーションにも合うと思います。
華やいだフローラルモダンは、上品なムードをまといたい時に
── 3つ目は「ルベル ワン シャンプー モイスチュア」です。
MAHO:タイプとしてはこちらもフローラルですね。スズランやジャスミンといったお花の香りの中にスパイスをきかせていたり、レザーの香りも意識されていたり、華やいだ優しい香りだけでなくスタイリッシュなムードを感じたので、もっと細かく分類すればフローラルモダンといったところでしょうか。フローラルタイプの特徴としてはエレガント。「ヒタ シャンプー」のフルーティが若々しい高揚感だとすると、フローラルは上品で華やかな女性像が思い浮かびます。
── 華やいだ気分になるということですね。
MAHO:そうですね。女性らしさを醸し出す香りなんですが、それを周りの人に届けるというよりは、自らが感じたい、享受したい、そんな時にも使っていただきたいのがフローラルタイプになります。仕事の日は甘い香りや華やかな香りは避けたいからと、マニッシュな香りの香水をつける方もいらっしゃるのですが、先ほどもお話ししたようにシャンプーであれば強く残らないので、そういった方にも良いと思います。先ほど「ピトレティカ VS ジャグアウト シャンプー」は家族でシェアするのもおすすめとお伝えしましたが、ルベル ワンは子育てが忙しくて香りにこだわっていられない、周りに与える印象を考えると甘い香りの香水はなかなか使いにくいといった方にもぜひ試していただきたいですね。シャンプーであればそこまで気にならないでしょうし、フローラルの香りは女性らしい気分を満喫できるので。
洗練されたフローラルアンバーは、大人の女性を演出したい時に
── 子育てや仕事で時間に追われている方が、シャンプーくらいは甘い香りのものを選んで癒されるのもいいですよね。それでは続いての4つ目は、「SEE/SAW ヘア&スキャルプシャンプーB(バランス)」になります。
MAHO:こちらはフローラルにも当てはめられるのですが、木を燻したようなお香っぽい香りを持つアンバータイプにも該当するためフローラルアンバーと分類しました。お香を思わせる深みや甘さなど、複雑味を醸し出してくれるのが特徴です。イメージとしては洗練された大人の印象で、複雑味がミステリアスなムードに繋がっているのかなと考えています。
── 今、私も嗅ぎましたけど、MAHOさんがおっしゃったミステリアスという表現、すごく理解できます。
MAHO:そうですよね。それに香水をまとうような感覚でシャンプーできると思いました。こちらは、おしゃれに対するこだわりが強い方やトレンドに敏感な方など、都会派の方々に合う香りですね。あと多面的なキャラクターを持たれている方も。フローラルに通ずる優しさをまとっているけれど、アンバー特有のミステリアスな雰囲気も垣間見せるようなイメージですね。夜にお出かけする時、デートに行く時なんかにおすすめです。
森林浴のようなディープウッディは、心を落ち着かせたい時に
── 5つ目が「ザ・モイ シャンプー メロウアウト」。香りのタイプとしてはウッディということですよね。
MAHO:こちらは典型的なウッディの香りですね。どなたが嗅いでも、もう説明が不要なくらい木の香り、かすかなシトラスやフローラルがウッド感をより際立たせていて、言うなればディープウッディです。ウッドとはどういうタイプなのかと言うと、木の香りが中心なので落ち着きや、森の中を散歩するような静けさ、森林浴をしているような癒しが感じられる香りです。穏やかな時間を過ごしたい時、落ち着きたい時におすすめの香りです。
── 言われてみると、森の中を散歩しているような感覚になります。
MAHO:ゆったりした気分を味わいたい時にいいですよね。バスルームが調光できる環境の方は、照明を落としてシャンプーすると香りの魅力をより感じられると思います。
木漏れ日のようなシトラスウッディは、清々しい気分を味わいたい時に
── 最後の「エステシモ セルサート イミュン シャンプー」もウッディということですね。
MAHO:はい。ベチバーというしっとりしたウッディ系の香りを表現する素材が使われていて、こちらをベースにベルガモットの柑橘系やグリーンアップルなどのフルーティな香りが組み合わされていますので、同じウッディでも先ほどの「ザ・モイ シャンプー メロウアウト」よりも軽さがあるため、タイプとしてはシトラスウッディに分類しました。
── お話しいただいた通り、すごくフルーティな香りがします。
MAHO:グリーンアップルの香りがきいていて、ゆったり落ち着いた感じというよりも、もう少し清々しい雰囲気というか、森の中に木漏れ日が差し込んでいるような明るさを持ち合わせています。イネ科植物の根っこ部分で、湿った土のような香りを持つベチバーに、グリーンアップルの清潔感がプラスされ、万人受けする香りに仕上げられていると思います。
\ MAHOさん監修!/
6つのシャンプーのフレグランスマップ
好みの香りを見つけてシャンプータイムを充実させる
信頼している美容師さんに相談するのも一つ
──6種類のシャンプーそれぞれの香りのタイプや、どんな気分の時におすすめなのかをお聞きしましたが、好みのシャンプーの香りを見つけるポイントも教えてください。
MAHO:そうですね。ドラッグストアだと香りが試せるテスターが置いてあることがありますけど、今回のようなサロン専売品の場合だとどうやって判断すればいいのかわからないですよね。私の場合、通っているヘアサロンで「シャンプーの香りを嗅がせてください」、「施術の際にこのシャンプーで洗ってください」と相談することがあります。ちょっと図々しいのかもしれませんが(笑)。信頼している美容師さんから「私はこれが好きでおすすめですよ」と説明をしてもらうと、「そうなんだ、私も好きかも」みたいに導かれるのも香りの面白いところなので、美容師さんに提案していただいた中からお気に入りを一緒に見つけていくプロセスも楽しんでください。
──美容師さんから香りのアドバイスをもらいながらだと、迷った時でも心強いですね。
MAHO:それこそ1本だけに絞るとなるとなかなか難しいと思うので、好みの香りのタイプをベースに、今回お話ししたようにこういう気分になりたいとか、自分にとって毎日のバスタイムがどんな時間なのかを美容師さんにお伝えすると、いろいろと提案していただけるのではないでしょうか。
バスタイムを豊かにしてQOLを上げる!
── 1本を厳選するのではなく、複数のシャンプーを気分に合わせて使い分けると考えたら、香りのタイプが異なるものを選ぶのもいいですよね。
MAHO:いいと思います。曜日で変えたり、平日と週末とで変えたりするのもおすすめです。1本だけだとどうしても飽きてしまいますし、いろんな香りのシャンプーを使っている方がそれぞれ新鮮に感じられますよね。ヘッドスパに行くと、「どの香りのアロマがお好きですか?」と選ばせてくれますよね。それを自ら実践するようなイメージです。
── いいですね。香りに意識を向けるだけで、いつものバスタイムが豊かになります。
MAHO:それがクオリティ・オブ・ライフです。わざわざ新しい習慣を加えるのではなく、バスルームに入ってシャンプーをするという日常の時間をより快適に、より自分らしさを味わえる時間にしていただくのが一番ですね。最後にワンポイントアドバイスとしては、シャンプーを手に取って泡立てて、髪になじませる前に泡の香りを嗅いで深呼吸していただくこと。ぜひ実践してみてください。
── 今日はたくさんのお話しを聞かせていただき、ありがとうございました。香りのタイプを参考にしながらまずは2、3点を選んで、気分に合わせたシャンプータイムを楽しもうと思います!
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
PHOTO_Haruki Matsui(TRYOUT)
ILLUSTRATION_Toshiya Kawashima(TRYOUT)
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