頭皮に関する基礎知識
汗と皮脂が出やすく、落としづらい
── 頭皮って顔や手足と違って直接目に触れない分、よくわからないことが多いのですが、どういった特徴があるのですか?
金澤:見えない場所なので皆さん意外に知らないのですが、頭皮は全身の中でも汗や皮脂が出やすいのが特徴です。具体的には、汗の出る汗腺が手のひら、足の裏に次いで多く、1cm四方に約360個あると言われています。皮脂の出る皮脂腺は、顔の中でもっとも多いとされる額の約2倍。1cm四方に約800個あると言われています。
出典:宮地良樹 長沼雅子 著
「化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学」p.25, 2005年
── かなりベタつきやすいということですね。
金澤:そうですね。ただ、頭皮は毛髪に覆われているため、汗や皮脂が出やすいにも関わらず、その存在に気づきにくく、落としにくいものだと言えます。それが後々、さまざまなトラブルにつながるのです。
春夏よりも秋冬のほうが、皮脂がたまる!?
── 頭皮から出る汗や皮脂の量は、季節によって変わるのですか?
金澤:汗の量については、やはり温かい春夏に比べると、寒い秋冬は半分ぐらいに減ると言われています。同様に皮脂の分泌量も、一般的には春夏より秋冬のほうが少ないです。ただ、頭皮に蓄積される残留皮脂の量は、春夏よりもむしろ秋冬のほうが多いんですよ。
── 分泌量は減るのに、残留量は増えるということですか?
金澤:そういうことです。分泌された皮脂は、汗に混ざることで毛髪に移行します。しかし、汗が出ない状態だと皮脂はそのまま冷え固まり、頭皮に残ってしまうのです。こうなるとベタつくわけでもないので、指で触っても気づきにくいですし、普通にシャンプーしても洗い流しにくく残ったままになります。
── ということは、皮脂の分泌量は減るけれど、並行して皮脂を流してくれる汗の量も減るので、結果的に残留皮脂の量が増えるということですか?
金澤:その通り! これが、春夏よりも秋冬のほうが、皮脂がたまってしまうメカニズムです。
── なるほど。さらに秋冬は、乾燥も気になるところです。
金澤:秋冬は顔や手足と同じく、頭皮も乾燥によって砂漠化していると言えます。乾燥すると皮脂が出やすくなるので、そういう意味でも秋冬は要注意ですね。
悩ましい頭皮トラブル
たまった皮脂があらゆるトラブルを引き起こす
── 頭皮に皮脂がたまると、どのような影響があるのですか?
金澤:残留皮脂が多いと、それを餌にして悪玉菌が繁殖し、かゆみやニオイの原因となります。また、皮脂が毛穴に詰まったり、毛根の一番深い部分にある毛球部にダメージを与えたりすると、細毛や抜け毛に繋がります。
── いろいろなトラブルの元凶になるのですね。
金澤:そのため、一般的に春夏よりも皮脂がたまりやすい秋冬は、より頭皮トラブルが起きやすいと言えます。また、フケに悩む人も少なくないと思いますが、フケの原因は乾燥によるところが大きいので、やはり秋冬に出やすいと言えますね。
秋冬にすべき頭皮ケア
頭皮を温めて、皮脂をゆるめる
──秋冬にすべき頭皮ケアとしては、やはり皮脂をしっかりと落とすことですよね? 皮脂ってどうやって落とせば良いのでしょうか?
金澤:先ほどお話しした通り、頭皮の皮脂は汗によって髪の毛へと移り行くので、まずはしっかりと汗をかくこと。軽い運動でも良いですし、入浴の際にしっかりと湯船に浸かって全身を温めるのも良いですね。
── 意識的に汗をかくようにするんですね。
金澤:はい。サロンでも行われているように、シャンプーの前にしばらくホットタオルを巻いておいたり、ミストを焚いたりするのはセルフケアでもおすすめです。特に秋冬の皮脂は冷え固まって頭皮に残っている場合が多いので、しっかりと温めて潤わせることで皮脂をゆるめ、落としやすくすることを意識してみてください。
頭皮用クレンジングでしっかり落とす
── 先ほど伺ったことに加えて、さらにおすすめのケア方法はありますか?
金澤:シャンプー前に頭皮クレンジングを行うと良いですよ。当社からは頭皮用クレンジングとして、2024年10月15日に「エステシモ イッシュ スキャルプシフト」を発売します。
── それはどういった製品なのですか?
金澤:じんわりと温感を感じる、とろみのあるジェル状のクレンジングです。頭皮に塗布することで、ゴシゴシとこすることなく皮脂をゆるめ、浮かすことができます。また、うるおいで頭皮環境を整える乳酸菌*1と、うるおいを与え頭皮と髪のバリア機能をサポートするマヌカハニー*2を配合しているので、健やかな頭皮環境に導く効果も期待できます。
*1 エンテロコッカスフェカリス(保湿) *2 ハチミツ(保湿)
── どのように使うのですか?
金澤:シャンプー前のまだ髪が乾いている状態で、頭皮に直接塗布します。指の腹を使って全体に馴染ませたら、手のひらを密着させてゆっくりマッサージしてください。あとはいつも通りシャンプーすればOKです。クレンジングで皮脂を浮かしたあと、シャンプーと一緒に洗い流すようなイメージですね。
── クレンジングと併用することで、シャンプーの効果も一段と高まりそうですね。
金澤:はい。わかりやすいところで言うと泡立ちの良さなど、いつもと違う効果を実感いただけるのではないでしょうか。ちなみに、毎日使用すると必要なものまで過剰に落としてしまうことになるので、1週間に1、2回程度の使用をおすすめします。
頭皮用セラムでしっかり保湿
── スペシャルケアのイメージですね。ほかに秋冬の頭皮ケアで気をつけるべきことはありますか?
金澤:シャンプー後の保湿ケアですね。余分な皮脂が取り除かれやわらかくなった頭皮は保湿成分が浸透しやすい状態なので、そこへ保湿アイテムを投入することで大きな効果が期待できます。
── 髪の毛のうるおいは気にしても、頭皮の保湿ってあまり馴染みがないです。
金澤:そうですよね。いつも使っているシャンプーに保湿成分が入っています! という方もいらっしゃるかと思いますが、基本的にシャンプーに配合されている成分は髪の毛の保湿を考えたものですし、仮に頭皮にまで作用する成分だったとしても、秋冬には物足りない可能性も。しっとりタイプを謳う保湿成分が多めの製品に変えるのも良いですが、ぜひ頭皮用セラムをお試しいただきたいですね。
── 頭皮用の美容液があるんですか?
金澤:はい。余剰な皮脂が残留する秋冬の頭皮は、常在菌バランスの崩れによってバリア機能が低下しやすく、バリア機能が低下すると肌のpHがアルカリ性に傾き、敏感な状態*3、炎症やかゆみにつながりやすいとも言えます。当社製品の「ザ・モイ VGセラム ディープブレス」は、うるおいを与えるαGルチン*4と肌を整えるアップルビネガー*5を配合。なめらかでさらさらな地肌と髪へ導きます。
*3 乾燥によるバリア機能の低下 *4 グルコシルルチン(保湿) *5 酢(毛髪補修保護/整肌)
── どのように使うのですか?
金澤:シャンプー後、髪の毛にトリートメントを塗布したら、そのまま頭皮と髪に本製品を重ね付けすればOK。しっかりと馴染ませたら、洗い流してください。
── シャンプー・トリートメントのついでに、お風呂の中でできるのは良いですね。
金澤:はい。頭皮も髪も保湿できるので、お風呂上がりにアウトバスアイテムを使用する代わりのケアとして、お風呂の中でご使用ください。こちらも1週間に1、2回程度、クレンジングと併せていかがでしょうか。
── 秋冬の頭皮ケアは、しっかりとしたクレンジングと保湿がポイント。今回ご紹介した自宅でもできる集中ケアで、トラブルのない健やかな頭皮環境をキープしたいですね!
TEXT_Reina Shiigi(TRYOUT)
ILLUSTRATION_Toshiya Kawashima(TRYOUT)
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