年齢と共にくせが強くなったり、弱くなったりすることはある?
くせ毛の原因は摩擦によるダメージ!?
── まず初めの質問になります。年齢と共にくせがなくなる、または弱くなることはあるのでしょうか?(会社員 / 20-24歳)
福原:くせ毛でお悩みの方にヒアリングしたり、サロンさまからいろんなお声をお聞きしていますが、ハリコシがなくなってくせが弱くなった気がする、という声はあるものの、年齢を重ねるほどにくせが強まる、うねってしまうという声が大多数です。もともと直毛だった方でも、くせが出始めてきたという話もお聞きします。
── やはりそうなんですね…。そもそも、くせの原因というのは?
福原:大きくは2つあると考えられます。一つは加齢による髪の弾力の低下が挙げられます。年齢と共にキューティクルが開きやすくなり、内部成分の流出が影響して弾力の低下につながり、髪がうねりやすくなるというものです。もう一つが、摩擦や熱によるダメージの蓄積です。濡れた髪に対して摩擦や熱を与え続けると、直毛の髪の場合でもくせが出たという実験結果もあるんですよ。
── どんな実験なんですか?
福原:ボーリングの玉が、ちょうど人の頭と同じくらいの重さなのでそれを頭に見立て、枕の上に置いて就寝時の摩擦回数と同じくらいゴロゴロと動かし続けたんです。そうすると、髪が濡れている状態だとかなり強いくせが出たんです。
── それは面白い実験ですね! 髪が濡れている状態は、より摩擦ダメージを受けやすいと。
福原:その通りです。濡れていると摩擦力が大きくなるため、ダメージを受けやくなっています。タオルドライなどの摩擦以外には、ヘアカラーなど化学的な原因やドライヤーの熱によるダメージも影響していると考えられます。
プロの研究員が提案する3つのアプローチ
── そんなくせ毛に対してどういったアプローチが考えられますか?
福原:大きく分けて3つの方法を提案しているのですが、一つがストレートメニュー、2つ目がサロントリートメントで、3つ目がシャンプー・トリートメントやアウトバストリートメントを使ったホームケアになります。
── それぞれどんな違いがあるのですか?
福原:サロントリートメントとホームケアは、くせを和らげたり扱いやすくしたりするもので、ストレートメニューはくせ毛をほぼ直毛にするというのが目的になります。これらについては、また別の質問の際に詳しくお話しますね。
湿度によって髪の状態が変わるのはなぜ?
湿気を吸い込むと髪内部の水分バランスが乱れる
── 続いて、雨の日やたくさん汗をかいた時など、湿度によって髪の状態が変わるのはなぜでしょうか?(主婦 / 45-49歳)という質問をいただいています。
西井:まず、くせ毛と直毛の髪の状態の違いをご紹介しますね。人の髪をよく太巻きに例えて話すのですが、外側の海苔が髪を保護するキューティクル、その中の酢飯が髪の内部を形づくるコルテックス、そして具に当たるのがメデュラという髪の中心にある組織になります。
直毛の人は酢飯に当たるコルテックスの水分バランスが整っていて、しっかりときれいな太巻きの形状を保っています。一方、くせ毛の人は酢飯の水分バランスが悪く形もいびつで、同じ酢飯でも水分を必要以上に吸収する部分と、上手く吸収できない部分とでバラつきがあります。なので湿気を吸い込むと、そこにアンバランスが生じてくせが出やすくなってしまうんです。
── もともとアンバランスなところに湿気が加わることで、さらにアンバランスになってくせができると。
西井:そうです。この要因としては、先ほど福原がお話した加齢と共に内部バランスが変わることも挙げられますし、遺伝としてもともとくせのある方が湿度によってくせが強くなるということが考えられます。
サロンでのメニューも利用して、くせと上手に付き合う
── 加齢にしても遺伝にしても、もはやどうしようもないというか…。
福原:上手く付き合っていくというのが我々の提案しているところですね。例えば、私が開発に携わった「HITA(ヒタ)」という髪質改善系メニューは、髪の内部をうるおすことでストレートメニューやサロントリートメントの持ちを良くしてくれるテクノロジーを搭載しています。梅雨時期でもまとまり感があるという声をいただいています。
くせの出方が部分的に変わるのはどうして?
どの部分も同じ生え方の人はいない
── 3つ目の質問は、前髪の生え際の毛だけうねるのはなぜでしょうか?(パート / 30-34歳)部分的にくせの出方が変わるというお悩みは多そうですね。
福原:同じ人でも、部分的にくせの出方が違うものなんです。なのでサロンでは、ダメージ具合やくせに合わせてパーマ剤を上手く使い分けたり、部分によって放置時間を変えたり、お客さまの髪の状態に適した施術をされています。
── 私自身、なんで左側と右側とでくせの出方が違うんだろうと、ずっと悩んでいました。
福原:わかります。むしろ、どの部分も同じように髪が生えている人はいないと考えてください。つむじが左回りか右回りかによって毛流れが変わってきますし、直毛の人でも多少のくせはあるというのが現実です。
肌と同様、ダメージに気をつけることが大前提
── 誰でもくせはあるということですね。少しでもくせを軽減するために、日常的に意識した方がいいことがあれば知りたいです。
西井:肌に日やけ止めを塗る、保湿するのと同じで、ドライヤーをする前にアウトバスのトリートメントオイルを髪に馴染ませたり、朝にアイロンで巻く時もケア剤を使ったり、高い温度設定で巻かないなど、ダメージさせないように気をつけることが大前提ですね。
就寝時のケアについて教えて!
ドライヤーの冷風でキューティクルを閉じる
── こちらも今お聞きした生活習慣に近い内容かと思いますが、就寝時に気をつけるべきポイントはありますか?(主婦 / 50-54歳)というご質問をいただいています。
福原:先ほどお話したように、就寝時に髪が濡れている状態だとダメージを受けやすくなるので、しっかり乾かすことが大切です。タオルドライはゴシゴシするのではなく、丁寧に優しく。ドライヤーは、仕上げに冷風で軽く冷やすことでキューティクルを閉じることも大事ですね。
西井:私はストレートアイロンで軽くセットしてから就寝することがあります。形をしっかり作っておくことがポイントなのかなと思うんですけど、翌日に寝ぐせがつきにくくスタイリングがすごくラクで時短にもなりますよ。
福原:僕も直毛とはいえ、セットしないで寝ると翌朝思わぬ方向に跳ねることがあります。アウトバストリートメントを馴染ませて、さっと整えてから寝ることで、寝返りを打っても形をキープしてくれるのだと思います。
熱ダメージを抑えるアウトバストリートメント
── 3つ目の質問の時に回答してもらいましたが、就寝前にアウトバストリートメントなどのホームケアアイテムを使うのも効果的なんでしょうか?
福原:そうですね。髪には水分を抱え込みやすい部分とそんなに抱え込まない部分があるんですが、水分バランスを整える機能が搭載されたホームケアアイテムを使うと良いと思います。
西井:タオルドライをしっかりとした髪に使用量の目安に沿った量を付けて、ドライヤーで乾かすのがおすすめです。
福原:アウトバストリートメントはブラッシングの際に髪が引っかからないようにしたり、ドライヤーによる熱ダメージを抑えたりする役割があります。特にドライヤーを当てすぎると80度くらいの熱がずっと髪にかかり、オーバードライ状態になりやすいので、熱から髪を守るためにも使用されることをおすすめしています。
縮毛矯正やストレートメニュー以外の解決策が知りたい!
うるおいを与えながら髪内部まで補修するサロントリートメント
──続いて、ストレートメニューや縮毛矯正以外のくせ毛の改善方法について知りたい(パート / 35-39歳)というご質問です。ホームケアではままならないという人もいると思うので、サロンケアについても教えてほしいです。
福原:くせの緩和や持続性に期待できるサロントリートメントもいいと思います。システムトリートメントとも呼ばれ、普段のホームケアのトリートメントでは難しいところまでアプローチでき、まるで髪のエステのようにそれぞれの補修成分やうるおいをチャージするという方法です。サロンならではのケアメニューになります。
次にストレートパーマをするまでの合間がおすすめ
── 4月にリニューアルした「HITA」のAPトリートメントモアも、このシステムトリートメントに該当するそうですが、どれくらいの頻度で受けるのがいいのでしょうか?
福原:通常は一ヶ月に1回程度を目安にしていただけると良いと思います。ストレートメニューをしている方は、次のストレートメニューとの合間に行うのもおすすめです。例えば、梅雨時期の6月とその半年後の12月にストレートメニューをされる方が多いので、その合間の9月や3月頃が目安になりますね。もちろん、髪の状態や環境によっては、サロンに通う2回に1回の頻度でも良いと思います。ホームケアとの違いをぜひ体感していただきたいですね。
くせ毛用シャンプーと通常のシャンプーとの違いは?
ボリュームを抑えて髪のうねりを緩和
──最後の質問は、くせ毛用のシャンプーと通常のシャンプーとでは、成分に違いはあるのでしょうか? (無職/35-39歳)という内容になります。
西井:くせ毛用のシャンプーは、先ほどもお伝えした水分バランスを整える働きに期待できるのが魅力です。
福原:実際にくせ毛用のシャンプー・トリートメントを使っていただくとよくわかると思うのですが、ボリュームを抑える力が高い製品が多いのが特徴です。そこが髪のうねりの緩和につながります。
通常のシャンプーとの使い分けも◎
──くせ毛用のシャンプー・トリートメントは週に数回のスペシャルケアとして取り入れるのか、毎日使うべきなのかどちらがいいのでしょうか?
福原:毎日使っていただくことを推奨しています。ボリュームを抑える力があるので、「毎日まとまり感がある」という仕上がりが期待できます。
──重さが気になる時は、通常のシャンプー・トリートメントですっきりさせるなど、好みの仕上がりや気分に合わせて違うものを使うのもいいかもしれないですね。
福原:そうですね。くせ毛用シャンプーの良さもより感じていただけると思います。
──髪のプロの研究員に訊く「くせ毛」にまつわるお話、いかがでしたか? 今回の記事は、「BEAUTY CITY」読者の皆さまからお寄せいただいた「くせ毛」にまつわるお悩みや質問をもとに構成しました。皆さまの生活に、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです!
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
ILLUSTRATION_Sayaka Junta(TRYOUT)
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