意外と知らない正しいドライの方法
タオルドライは髪をかき上げて地肌を拭く
── 後編はドライの話から聞かせてください。まずタオルドライに関しては、どの程度まで乾かすべきなんでしょうか?
小泉:できるだけ水分を取るのがタオルドライの目的で、かけるべき時間などは髪の長さや量にもよります。ポイントは、タオルが地肌につくくらいでないと髪の根元の水分が取れないので、髪をかき分けながら地肌を拭くことです。
── 少しでも早く乾かした方がいいと思って、タオルで髪をゴシゴシ擦っていました……。
小泉:髪のキューティクルが剥がれてしまうので、中間や毛先をゴシゴシするのが一番ダメなんで
す。テレビドラマなどで、そういったシーンをたまに見かけますけどね(苦笑)。
Q: 重点的にタオルドライする箇所は?
A: ハチ(頭のてっぺんとサイドの間の最も出っ張っている部分)よりも下の部分は毛量が多くて乾きにくかったり、乾かしムラができやすいので、片手で髪をかき上げながら、タオルを持ったもう片方の手で地肌を拭くといいですね。

髪の根元の水分を取るため、タオルをしっかりと地肌につけるのがポイント

中間から毛先はゴシゴシと拭かず、タオルを挟むようにして水分を取る
── しっかりと頭皮を拭くことを考えると、バスタオルよりもコンパクトなフェイスタオルの方がやりやすそうですね。
小泉:はい。バスタオルは重みもありますし、フェイスタオルを使った方が髪の水分を拭き取りやすいと思います。
ドライヤーを当てる順番とは?
── ある程度、頭皮の水分が取れたらドライヤーですね。
小泉:はい。ワンポイントアドバイスとして、ドライヤーを当てる前に洗い流さないトリートメントを毛先につけると、まとまりやすくなるのでおすすめです。ドライヤーは髪が傷むからと、完全に乾かさない方もいると思いますが、傷みが気になる場合はアウトバスアイテムを毛先中心につけてしっかり乾かしてください。
── きちんと乾かすのが大原則ということですね。
Q: ドライヤーを当てる順番は?
A: まずは前髪から乾かします。自然乾燥すると、人によっては生えぐせが出やすい箇所なので、くせがつきやすくなります。次に同じく生えぐせが出やすい顔まわりは、スタイルを作るという意味でも根元からしっかりと乾かしてください。

ドライヤーはこれくらいの距離を離すのがポイント
── 前髪と同じく、顔まわりも根元からドライヤーを当てるのが大事なんですね。今まで毛先中心に乾かしていました。
小泉:それだとくせがついてしまいます。顔まわりのあとはトップ、バックの順に乾かします。特にバックは水分を多く含んで乾きにくいので、同じくかき上げながら根元を乾かしてください。根元がある程度乾いたら、今度は上から風を当てます。キューティクルはスカートのように下の方向へ向かっているので、下から風を当てると本来の流れに逆らって開いてしまいます。仕上げに上から当ててキューティクルを閉じてあげると艶が出ますよ。

トップも根元から乾かす

ある程度根元が乾いたら、上から下に向かって風を当てる
ドライヤーの風量や温度設定にもポイントあり!
Q: 風量の使い分けのポイントは?
A: 最初は強風で、バーッと根元に当てます。徐々に根元が乾いて中間から毛先を乾かすタイミングになったら、風量を中くらいの設定にしていただいた方がまとまりやすくなります。ずっと強風のままだと、いろんな方向に散ってパサついて見えてしまうので注意が必要ですね。
Q: ドライヤーの温度や冷風の使い方は?
A: 髪が長い方ほど、ドライヤーを当てる時間が長くなってダメージの原因につながりやすいので、低温で乾かしていただいた方がいいですね。大体乾いてきたなというタイミングで冷風に切り替える。冷風によるしっとりした質感というのが、髪の水分量が一番ベストの状態なんですよ。
── しっとりしたタッチの見極めが大事というわけですね。
小泉:はい。乾き切っていない状態でベッドに入ると、寝ている間に髪が枕と擦れてキューティクルが剥がれてダメージにつながってしまいます。しっかりと乾かしてから、最後に冷風がポイント。まだ濡れているところがあれば触るとひんやりするはずなので、その場合はもう少し乾かす必要がありますね。
── 冷風を当てるのは、温風で開いたキューティクルを閉じるためですよね?
小泉:そうです。あとは熱い状態だと静電気も起きやすくなるので、冷ましてあげることで髪がしっとりと落ち着き、まとまりやすい状態になります。
プロがアドバイス! 髪質別の乾かし方
ダメージや乾燥で広がりやすい人
Q: ダメージや乾燥で広がりやすい人は?
A: 低めの温度で乾かしていただくか、細かい温度調整機能がないドライヤーの場合は乾かし始めから温風と冷風を交互に当ててあげるとよいと思います。ブリーチ毛の方はダメージなどで毛先がパサつきやすいため、強風で根元から乾かすと風で毛先が散って広がりやすくなってしまいます。なので、先に弱風で毛先を乾かして落ち着かせたあとに根元を乾かすと、まとまりが出やすくおすすめです。
髪の量が多い人
Q: 髪の量が多い人のポイントについても教えてください。
A: 毛量が多い方は、とにかく強風で乾かしてください。風を強くすることによって、根元までしっかり風を届けることが重要です。それと、基本の乾かし方とは違う手順になりますが、先に襟足の内側に温風を当てておくと、前髪や顔まわりを乾かしている間に残った熱で内側が乾きやすくなるのでおすすめです。
忙しい朝にこそ最適な寝ぐせ直しのコツと簡単スタイリング
寝ぐせの原因と直し方のコツ
Q: 寝ぐせの対処法は? 朝起きた時に、前髪が割れてしまっていることが多くて……。
A: そういう方、多いですよね。なぜ寝ぐせがつくのかというと、それは寝ている間に汗をかいているのが原因です。髪は濡れている状態から乾いていくタイミングで形が作られるので、寝ている間に寝ぐせがつきやすいんです。
── 確かに、寝汗も水分ですもんね。
小泉:そうなんです。朝起きて毛先のくせだけ直しても日中にまた元通りになってしまうのは、根元に乾きぐせがついてしまっているからです。こうなってしまうと根元からのケアが必要になります。しっかり根元を濡らしていただければ、ドライヤーで乾かすだけで効果があると思います。濡らさずに、いきなり熱を加えるのはNGです。

前髪が左右に割れたように分かれた状態は、根元に強めのくせがついている

くせを直すには、根元から濡らすのが一番。霧吹きがない場合は、手で濡らしてもOK
Q: 前髪もスタイリング剤はつけた方がいいですか?
A: 毛先に束感がほしい場合は、少量のワックスバームを顔まわりにつけてください。日中過ごしていると、頭皮の油分が分泌されて少しずつオイリーになってくるので、ニュアンスを作りたいところだけ少量のワックスバームをつけて摘んでいただいて、そのあとスプレーでさっと整えるだけで大丈夫です。毛束がバラバラとしていると、どうしてもくたびれて見えてしまうので、このちょっとしたニュアンスが大切なんです。顔まわりにニュアンスを加えるだけで、随分と印象が違って見えますよ。

顔まわりを軽く摘みながらスタイリング剤をなじませる

軽くカールすれば、ニュアンスのあるおくれ毛が完成
根元の立ち上がりを出すには?
── 同じく朝のスタイリングにも関係することとして、寝起きにトップがペタッとしてしまっていることがあって……。
小泉:そういう時はマジックカーラーを内側に巻いて、そこにドライヤーを当てるだけで軽減されますよ。バックの髪を持ち上げるように、頭を前に倒しながら360度いろんな方向から風を当ててあげるのが、ふんわりとしたボリュームを出すコツです。
── ボリュームの話で言うと、エイジング毛の場合もペタッとなりやすいですか?
小泉:そうですね。年齢を重ねると毛量自体が減ってきたり髪が痩せてきたりして隙間が生まれやすい状態になるので、ボリュームが出にくくなります。根元をしっかりと立ち上げることで、若々しい印象に見せることもできますね。
アイロンやコテの前のワンポイント
── アイロンやコテを使う時のコツについても教えてください。
小泉:朝に作ったカールが取れにくくなったり、熱ダメージを抑えてくれるスタイリングアイテムを使うと日中もスタイルがキープしやすいのでおすすめです。
── 私もその日の気分で巻くことがあるので、今度試してみます。
小泉:特に毎日アイロンを使う方だと日々熱ダメージを受けてしまうので、巻かない部分も含めてしっかりとつけてくださいね。
── 今回、前後編にわたってホームケアの基本やコツを教えてもらいましたが、毎日習慣づけられるよう意識してみようと思います。
小泉:シャンプー・トリートメントにしてもドライやスタイリングにしても、注意すべきポイントを押さえていただければいいのかなと思います。仕事や家事、育児に追われて毎日実践するのが難しく、逆にストレスに感じるようであれば、週に一度くらいのペースで始めるのもいいと思います。例えば、毎週金曜日のルーティンがそのうち当たり前になって、毎日の習慣になれば、私としてもうれしいですね。
── 無理せずマイペースで取り組んで、三日坊主にならないよう日々の生活に根付かせられたらと思います!
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
PHOTO_Haruki Matsui(TRYOUT)