そもそも髪質改善系カラーとは?
髪内部にアプローチする髪質改善系メニュー
── まずは知っているようで知らない、髪質改善系メニューについて教えてください。
柄本:イメージとしては髪の表面ではなく、内部の構造にアプローチしながら手触りをやわらげるトリートメントメニューの一つになります。髪の補修効果を高めて、うねりやパサつきをケアするのが目的です。中野さんのお店ではいつ頃から導入されていましたか?
中野:6、7年くらい前ですかね。他店よりも導入が少し遅かったことを覚えているので、そう考えると髪質ケアに特化した髪質改善系メニューが世に出てきてから、もう10年くらい経つんではないでしょうか。ただ、その頃とは成分自体が大きく進化していると思います。ここ数年で、さらに注目されるようになったきっかけとしては、コロナが落ち着いて美に対するモチベーションが高まり、自分のコンプレックスに対してケアしていこうという意識が強くなったのが要因にあると思います。
バラエティ番組やSNSの普及で認知度がアップ
── 聞いた話では、マツコ・デラックスさんが司会を務めていたバラエティ番組に取り上げられたのが大きいそうですね。
中野:まさに、あの番組を機に一気に広まったと思います。いろんなメーカーさんからトリートメント製品が登場しましたから。
柄本:あとは10年前との比較だと、SNSの普及も関係しているのかなと思います。特にInstagramに投稿されるビフォー&アフターの写真にはインパクトもあるので。
中野:同じく以前との比較の話をすると、カラーとの相性が格段と良くなったというのも挙げられると思います。
髪質をケアしながらカラーもできる!
── 今お話いただいたカラーとの相性について、もう少し詳しく教えてください。
中野:少し専門的な話になるのですが、トリートメントの主成分は酸性で、それに対してカラー剤はアルカリを使っています。そうすると以前のものは色が発色しづらかったというか、目指している発色になりにくかったんですね。例えば、カラーを施術した後に酸性のトリートメントをすると色が流れてしまうので、同日に施術することが難しく、トリートメントとカラーの両方をしたいお客さまは2回に分けてご来店いただく必要があったんです。
柄本:やっぱり同日に施術できるようになったのは大きいと思います。ここ2、3年でお客さまの間でも“髪質改善系カラー”という言葉が定着して、某集客サイトの登録件数も2022年の頃は2,000件ちょっとだったのが、24年3月には7,000件強まで伸長してます。このことからもわかる通り、髪質改善系とカラーの組み合わせというのはすごい勢いで注目されていますね。
中野:先ほども話したように、気兼ねなく人にも会えるようになり、髪をきれいにしてカラーも楽しみたいという機運が高まり、両方を同日にできるところに魅力を感じられているお客さまは弊店でも多いですね。
柔らかな質感へと導く「HITA」の魅力
独自のテクノロジー、成分がクセに効果を発揮
── 認知度が高まるにつれて各メーカーから製品が発売されたとのことですが、「HONDA PREMIER HAIR」でも導入されている「HITA」はどのように使用されていますか?
中野:「HITA」にはストレートメニューライン、トリートメントメニューライン、ホームケアラインの3つがあり、弊店ではストレートとトリートメントを導入しています。主に、髪へのやわらかさや潤い、ツヤを狙って使用していますね。特にストレートはピーンと硬く仕上がるのを避けたいのですが、「HITA」は毛先の収まりが狙い通りになる印象です。
アクティブ プレックス ストレート
※「HITA」ストレートメニューライン
アクティブ プレックス トリートメントモア
※「HITA」トリートメントメニューライン
柄本:そうですね。酸性の成分を活用している分、髪のやわらかさの維持が難しいのですが、「HITA」に関しては独自のテクノロジーで処方していますので、やわらかな仕上がりを表現できると自負しています。毛髪保護成分の酒石酸と潤い成分の尿素により、やわらかに動く蝶つがいの構造を持つことで、やわらかさと高い水分保持機能を実現しました。
トリートメントがリニューアルし、新製品も登場
中野:しっかり伸ばしたいという方にはストレートメニュー、ご年齢を重ねられて髪が少しふわふわして収まりが悪いという方にはトリートメントメニューと、お客さまのお悩みレベルやご要望に合わせてご提案しています。
柄本:ただ、そのようなご好評の声をいただく一方で、お客さまのダメージレベルによっては効果を感じていただきにくいケースもありました。そこで4月にトリートメントメニューラインをリニューアルし、より幅広い髪質にも対応できるようにバージョンアップします。
時短メニューがさらに時短に!?
柄本:また、ハイトーンの方以外で言うと、ハチ周りの膨らみなどに悩まれている大人女性にもおすすめです。年齢と共にエイジング毛に移行していくなかで、広がりやうねりが出てくることがあるので、そういった場合にも「HITA」の効果を実感いただければと思います。
中野:美容師の目線では発色の良さ、色持ちの良さに加えて、やっぱり時短も嬉しいですよね。もともとケアとカラーを同日にできるのが髪質改善系カラーのメリットですけど、「HITA」のバージョンアップしたトリートメントメニューラインは放置時間が10分ほど短くなりましたよね。たかが10分、されど10分で、僕たち美容師からするとお客さまにさらに提案しやすくなります。一方のお客さまとしてもカット、カラー、トリートメントをされるとして、合わせて2時間を超えるか超えないかをシビアに考えられる方もいらっしゃるので、2時間以内にすべての施術を受けられるのはかなり魅力的だと思いますね。
効果を持続させるにはホームケアが大事!
ドライヤーの設定は低温強風がおすすめ
── トリートメントにしろストレートにしろ、施術後はどれくらい持つんですか?
中野:クセの度合いによっても違いますが、1ヶ月半から半年くらいが目安ですかね。お客さま次第というか、ご自宅でどんなケアをされているかによっても左右されますので。
── 髪質改善系もホームケアが大事なんですね。具体的にはどういったことに気を付けるべきですか?
中野:まずはお風呂上がりのタオルドライが重要です。タオルでバサバサッと勢いよく拭くと、髪が濡れたことで開いた状態のキューティクルが剥がれてしまうので、絶対にNGです。最近はやわらかくて吸水性の高いタオルが出ていてお客さまにもおすすめしているんですが、それをお持ちではない場合でもゴシゴシ拭かずに軽く揉み込むようなイメージで拭いてください。その後にトリートメントオイルを馴染ませて、全体に行き渡るよう粗めのブラシでコーミングしてからドライヤーで乾かします。高温だと痛んだり広がりやすくなったりするので、ドライヤーの設定を低温強風にして乾かすのがおすすめです。
仕上げの冷風でキューティクルを閉じる
──早く乾かさないといけないかなと、ずっと高温でドライヤーをしていました……。
中野:髪の内部の水分まで飛ばしてしまうと、オーバードライで毛先がバサッと広がってしまうんですよ。あとは熱が入るだけでキューティクルが開いてくるので、仕上げに冷風を軽く当ててあげるとキューティクルが閉じて毛先が収まりやすくなりますよ。
柄本:今のホームケアのお話は「HITA」の話とは関係なく、絶対にやった方がいいですね。
── 確かに私自身、ホームケアを怠ったことが原因で髪がうねってしまった経験があります。髪質改善系カラーの美しさをより長く保つためにも、中野さんに教えてもらったケア方法を今晩から実践します!
TEXT_Yoshio Horikawa(TRYOUT)
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